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経営・人事労務・広報コラム

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畔に言うたら、何とかなる。と言われる存在でありたい

「畔に言うたら、何とかなる。」

この言葉を掲げるにあたり、安易な期待や楽観を前提としているわけではありません。

経営とは、本質的に不確実性と隣り合わせの営みです。
一つの意思決定が従業員の将来を左右し、資金繰りのわずかな綻びが企業存続に直結することもあります。

その現実を理解したうえで、なお「何とかなる」と言われる存在でありたい。

それが、経営・人事オフィス畔の原点です。

「何とかなる」の本質

ここでいう「何とかなる」とは、奇跡的な解決を意味するものではありません。
問題が自動的に解消されることでも、短期間で業績が劇的に改善することでもない。

私が重視しているのは、

・状況を冷静に把握すること
・課題を構造的に整理すること
・優先順位を明確にすること
・実行可能な手を定めること

そして、それらを経営者と共有し、継続的に実行していくことです。

混乱の最中においては、判断は曇りやすくなります。
焦燥や不安が視野を狭め、選択肢を見誤ることもあります。

そのような局面において、冷静に状況を俯瞰し、道筋を示す伴走者が存在すること。
それこそが、「何とかなる」と言える状態を生み出す基盤であると考えています。

経営者が抱える孤独

経営者は、表面上は強く振る舞いながらも、内心では複雑な不安を抱えていることが多いように思います。

従業員の前では動揺を見せられず、幹部の前では迷いを表明できない。
顧問税理士には財務の相談はできても、組織内部の不信感や人間関係の軋轢までは語りにくい。
社会保険労務士には制度の相談はできても、経営者自身の迷いや焦燥まで共有することは難しい。

誰にも明かせない課題が蓄積されることで、意思決定は遅れ、組織は次第に硬直していきます。
私は、企業の内部でその過程を経験してきました。

「黒子」という立ち位置

私は、自らを前面に押し出す立場を志向していません。
経営の主役は、あくまで経営者です。外部支援者が主役になることは、本質ではありません。

私が担いたいのは、”黒子”としての役割です。

舞台の裏で段取りを整え、経営者が最善の判断を下せる環境を整備し、必要に応じて助言し、支える。
しかし、成果の帰属は経営者や従業員にあるべきです。

経営という舞台において、経営者が自らの責任で前進できる状態を整えること。
それが、私の役割です。

当事者としての経験

私は、企業内部の経営管理責任者として、事業の重大な転換局面を幾度も経験しました。

主要顧客の喪失、資金繰りの緊迫、従業員の処遇に関わる重い決断。

理論だけでは対処できない現実が存在することを、身をもって理解しています。

だからこそ、安易に楽観を提示することはありません。
同時に、過度に悲観的な結論を急ぐこともありません。

現状を直視し、選択肢を洗い出し、実行可能な計画に落とし込む。
評論ではなく、当事者意識をもって関与する姿勢を、私は重視しています。

「畔」という名称に込めた意図

「畔(ほとり)」とは、水際を意味します。

内と外の境界に位置しながら、双方をつなぐ場所でもあります。

私は、企業の外部に位置しながらも、可能な限り内部の実態に近い視点で関与したいと考えています。
過度に距離を詰めることなく、しかし必要な局面では深く関与する。
その立ち位置を象徴する名称として、「畔」を掲げました。

それでも、目指す言葉

最終的に、私はこう評される存在でありたいと考えています。

「畔に言うたら、何とかなる。」

それは依存を意味する言葉ではありません。
また、責任転嫁を許容するものでもありません。

課題を整理し、現実を直視し、覚悟を共有したうえで前進できる状態。
その状態をともに構築する存在として、信頼を得ること。
その積み重ねの先にのみ、この言葉は成立するものと考えています。

もし現在、整理のつかない課題を抱えておられるのであれば。
あるいは、判断に迷いが生じているのであれば。

一度、状況を言語化する機会を持っていただきたい。

劇的な解決を約束することはできません。
しかし、構造を整理し、次の一手を定めることは可能です。

「何とかなる」と言える状態を、論理と覚悟のもとに構築するために。

その隣に立つ存在でありたいと考えています。

この記事を書いた人

社会保険労務士 / 中小企業診断士

谷中 憲

(たになか あきら)

中小企業にて経営企画部門と総務部門のマネージャーとして組織運営の最前線で実務経験を積む。その後、社会保険労務士および中小企業診断士の資格を取得し、経営・人事・広報の専門知識を体系的に習得。現在は経営・人事オフィス畔を設立し、中小企業の経営課題解決に取り組んでいる。企業の内側に入り込み、現場の実績を深く理解した上で、実務的で実現可能な解決策を提案することを信条としている。

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